歯周病と糖尿病の関係
歯周病
歯と歯肉の間の溝(歯肉溝)に歯周病菌や虫歯菌の塊である歯垢(プラーク)がたまり、歯肉に炎症がおこる状態を歯肉炎と言います。
歯肉炎を放置すると歯肉溝は深くなり、歯肉ポケットになります。歯肉 ポケット内のプラークが歯肉の炎症を進め、歯肉だけでなく、歯を支えている骨(歯槽骨)や歯と骨をつなぐ繊維(歯根膜)まで破壊していきます。この状態を 歯周炎といいます。歯周炎が進むと炎症によって生じた物質(CRP)や歯周病原菌が出す毒素(LSP)が血液に入り全身に回ります。
歯肉炎や歯周炎の事を歯周病と言います。
歯周病の全身的なリスクファクターには喫煙、不規則な生活、ストレス、ホルモンバランスの変化、白血病、骨粗しょう症、AIDS,糖尿病等があります。
糖尿病
インスリン作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝疾患群を糖尿病と言います。インスリン作用不足はインスリン供給不足(主に1型糖尿病)やインス リン抵抗性の増大、インスリン分泌低下(主に2型糖尿病)によりおこり、その発症には遺伝因子と環境因子がともに関与しています。
糖尿病性慢性合併症には網膜症、腎症、神経障害、脳血管障害、虚血性心疾患、閉塞性動脈硬化症、歯周病、糖尿病足病変、皮膚病変などがあります。
糖尿病と歯周病
糖尿病⇒歯周病
糖尿病があると、以下の障害のため歯周病の進行が速くなります。
- 白血球などの免疫機能の低下
- 歯肉微小血管障害
- 創傷治癒の障害
- 唾液の減少
歯周病⇒糖尿病
重度の歯周病は糖尿病を悪化させます。
- CRPが肝臓の働きを弱めグルコース代謝障害がおこる
- LSPに対抗するためTNF-α(炎症性サイトカイン)等が増加
⇓
TNF-αの増加によりインスリンの働きが阻害される
⇓
高血糖
糖尿病と歯周病は相互に影響し合っています。安定した血糖コントロールのためにも歯科医院へ行って正しい歯周病対策を行いましょう。