主な事業
事業名 |
事業理念・指針 |
生涯研修セミナー |
日本歯科医師会の主催する生涯研修セミナーに参加。
その情報を各地区歯科医師会へ配信することによって、歯科学・医術の進歩発展に対応するための事業です。 |
学術講演会(シンポジウム) |
群馬県歯科医師会の独自のコンセプトで、シンポジウム形式での講演会を開催しています。 |
学術研究集会 |
群馬県歯科医師会会員の学術的な発表の場を提供する会。 |
郡市区学術担当者
連絡協議会 |
連絡協議会 県内の各地区の学術担当者と、協議し連携を行っていくための会です。 |
委員会 |
各種の事業の企画、準備するための会議です。月1回開催しています。 |
キシリトールガムでむし歯予防?
最近、甘味料としてキシリトールを使用したチューインガムが食品メーカー各社から発売され、テレビCMも頻繁に流されています。キシリトールは糖アルコールの一種で甘さは砂糖と同じくらい。しかもむし歯の原因菌(ミュータンス菌)の活性を失わせ、数を減らす効果があると言われています。
しかし、キシリトールガムを咬むだけではむし歯は予防できません。日常的にキシリトールガムを咬んでいても歯磨きが出来ていなっかたり、間食や砂糖の摂取量が多いなどの基本的な食生活がしっかりしていないと、むし歯を起こす可能性があります。
ホームケアにおけるむし歯予防の基本はあくまでも徹底的な口腔清掃としっかりした食生活にあります。これらをキチット行った上で、さらなるむし歯予防を目指し、補助的な手段として、フッ素配合の歯ミガキの使用やキシリトールガムを咬むことは相当な効果が期待できます。
「舌苔(ぜったい)」って知っていますか?
舌苔とは舌の表面の凹凸(舌乳頭といわれる無数の小突起からなる)にたまる汚れのことです。舌の表面に細かな食べカスと細菌が付着することにより出来ます。健康な人でも付着がみられますが、白色~淡黄色の舌苔が大量に付着している人は特に舌の清掃が必要です。舌苔が付着したままでは細菌の腐敗作用によりタンパク質の分解が起こり、臭気物質が発生し、口臭の原因になります。最近の研究結果から口臭の大部分はこの舌苔が原因とされています。
一般的な口臭治療・予防としては、まず、口臭物質の発生源となる口腔内の不潔状態を改善することが必要です。歯周病やむし歯がある場合は速やかにその治療を行い、定期的な検診を受けるなど適切なケアが大切です。
毎日のホームケアとしては歯ブラシやデンタルフロスを使用して、歯に付着した歯垢を除去すると同時に舌苔が多量に堆積している起床時に舌の清掃をするとよいでしょう。
最近では歯科医院やドラッグストアなどに舌苔を効果的に除去する専用の舌クリーナーやブラシが販売されていますので使いやすいものを購入するとよいでしょう。
電動歯ブラシの選び方
最近、家電量販店やドラッグストアで電動歯ブラシを見かけることが多くなっています。テレビコマーシャルや雑誌、通信販売でも紹介されていますので、現在、使用している方もおられると思います。普通の歯ブラシと比べると利点も欠点もありますが使用法に注意すれば効果的に歯垢を除去することができます。
電動歯ブラシの価格は数百円から一万数千円まであり、実に多くの商品が発売されています。また、その機能もブラシ部が振動するだけのものからブラシ部が回転するもの、音波ブラシ、超音波ブラシというものまでいろいろな種類があります。一般的に価格の安いものより高価格のものが歯垢を除去する性能が優れていますが、特に、音波ブラシや超音波ブラシは効率がよいというデータが発表されています。
電動歯ブラシを選ぶにはかかりつけの歯科医院で相談されるのがベストです。歯ならびや歯肉の状態は個人により異なりますから説明書に書かれている標準的な使用法ではブラッシング時間やブラシの当て方が不十分である場合もあります。かかりつけの歯科医院で使用法の指導を受けることが大切です。
カスタムメイドマウスガードを知っていますか?
マウスガードと言うと、ピンとこない人もいると思いますが、プロボクシングやK-1でお馴染みのマウスピースのことです。これを装着すると口の中や顎のケガを予防でき、一部の競技では防具としての装着が義務付けられています。ボクシングや空手、ラグビーやアメリカンフットボールなどの経験者の中にはスポーツ用品店で購入できる既製品を使用したことがある人も多いと思います。その時の装着感はどうだったでしょうか?あまり良い印象はなかったのでは?歯医者さんでつくるカスタムメイドのマウスガード(型を採って、歯型に合わせて製作)は装着感もよく、防具としての性能も優れているのでオススメです。
格闘技以外のスポーツでも体のコンタクトがあるラグビーをはじめとしてサッカー、バスケットボールや野球などでも歯を折ったり、口の中を切ったり、顎の骨を折るなどのケガは意外に多いのです。安心してスポーツを行うために、これらの競技の選手、愛好者は一度、かかりつけの歯科医院に相談してみてはいかがでしょうか。
歯磨剤の選び方
大多数の人が歯磨き時にペースト類を使用していると思います。ひところ、一世を風靡した『芸能人は歯が命』のようにテレビCMの効果は絶大です。現在でも大手メーカーはテレビCMに多大な投資をしていますから「歯を白くする」というCMに釣られて購入しているのがほとんどではないでしょうか。
一般的な製品は白いペースト状のものですがこれには研磨剤や発泡剤が多く含まれています。歯の着色が気になる喫煙者や色素の濃い飲み物(コーヒー、ウーロン茶、赤ワイン等)を好む人には向いているといえますが、過度の使用は歯を削ってしまったり、歯周組織に傷を付けてしまいます。
また、泡立ちにより、長時間のブラッシングが必要な人には向いていません。最近、研磨剤や発泡剤の含有量の少ないジェル状の製品が発売されています。むし歯予防に効果的な歯質を強化するフッ素が高濃度含有され、口の中の細菌の増殖を抑制する薬用成分も配合され、歯や歯周組織を傷つけることなく長時間のブラッシングが出来ますから一般的にはこちらがお勧めです。
歯に酸が作用すると専門用語でいうと脱灰(だっかい)という現象がおき、歯の表面(エナメル質)カルシウムやリン酸が溶け出します。簡単に言うと透明なガラスのツルツルの表面がスリガラス状のザラザラした状態になっていると思っていただければ良いでしょう。
『みんな白い歯が好き』
美白ブームも一段落といった感の昨今ですが、近年、歯を白くする効果をうたった歯磨剤が数種類発売されています。このような商品は欧米はもとより国内でも販売数を伸ばしているそうです。洋の東西を問わず、『輝く白い歯』は永遠のあこがれのようです。現在、コーヒー、ウーロン茶や赤ワインなど色素の濃い飲み物が、日本人の生活に欠かせないものになっていますが、これらは歯の着色の原因となっています。
このような歯磨剤は歯の表面のエナメル質への付着物を除去する効果が優れているとされていますから過度の使用は問題ですが適切に使用すれば効果的でしょう。一方、歯のホワイトニング(ブリーチング)については女性誌等でとりあげられていますので、目にした方も多いと思います。
県内でも対応している歯科医院が増えています。ホワイトニングは歯そのものの色を白くする処置であり、歯科医院内で行うものと自宅で行うものの2つに分けられます。いずれも歯に薬剤を作用させ、漂白効果により、歯を白くするものです。歯の外側から薬剤を作用させるため、希望する白さが得られない場合や後戻りもあります。
また、ある種の抗菌薬の副作用による変色歯など変色の程度が高度なものは対象になりませんから術前に十分な説明を受けることをお勧めします。また、ホワイトニングは審美に関する分野ですので健康保険での取り扱いは出来ませんので、希望される方はかかりつけの歯科医院で相談してみてください。
むし歯予防、歯周病予防は正しい歯磨きから
日本人は他の先進諸国の人々と比べてよく歯を磨くというデータがありますが残念なことに虫歯予防、歯周病予防の「できているごくわずかな人」と「できていない大多数の人」に別れています。歯磨きを「している」と「できている」とでは大きな差ができてしまいます。
歯磨きを「している」だけの人はむし歯や歯周病になってしまう傾向にあります。たとえ治療をしても、同じ磨き方を続けていれば、数年後また治療が必要になる。この繰り返しなのです。
この悪循環を脱するには正しい歯磨きが「できている」ようになることが大切です。さらに、年齢や歯列や噛み合わせの状態、修復物や義歯の装着状況など、口の中の状態は人により様々ですから個々の口の中の状態に最適なオーダーメイドの歯磨きの方法が必要です。現在ではほとんどの歯科医院で個人の状態に最適な歯磨きの指導を行っていますので、かかりつけの歯科医院で指導を受けるとよいでしょう。
ブラッシング(歯磨き)は1日何回?
ブラッシングは食べたら磨くのが基本ですが現在の社会生活のなかで毎日3度の食事の後、すぐに十分な時間をとって、丁寧に磨くのは理想的ですが、よほど、時間的・場所的に余裕がないと不可能です。歯周病などに罹患していない健康な人であれば、食後に食べかすや歯に付着した粘着性のものを軽く短時間のブラッシングで落とす。それも出来ない時は水でよく口をゆすぐ事が必要です。そして、ぜひ、行っていただきたいのは一日に1回は時間をとって、ゆっくり、最低でも5分間以上のブラッシングをすることです。就寝前や入浴時に行うよう習慣づけるように心掛けてください。一日一回でもしっかりブラッシングできていれば予防の効果はあります。また、しっかりブラッシングできていると思っていても、歯と歯ぐきの境目に付着してしまった粘着性の歯垢(バイオフィルム)はブラッシングでは落ちませんから、かかりつけの歯科医院をもち、定期的に受診し、個人個人にあった適切なブラッシング指導を受けるとともに歯石やバイオフィルムを除去してもらい、歯周病とむし歯を予防しましょう。
義歯の洗浄
スーパーやドラッグストアの口腔ケア製品のコーナーには一般的なものから部分入れ歯専用のものまでたくさんの義歯洗浄剤がならんでいます。中高年以降の取り外し式の義歯装着者はかなりの比率ですから相当な需要があると思われます。
取り外し式の義歯を装着している方は口の中の健康を維持するために毎日の義歯の洗浄は必須です。
テレビコマーシャルでは義歯装着者の口臭の除去をセールスポイントにしていますが義歯の洗浄は義歯による口内炎の予防や部分入れ歯装着者では残存歯に対するむし歯や歯周病の予防に欠かせないものです。
義歯にも歯に付着するプラークと同様、細菌の塊であるバイオフィルムが付着します。ネバネバした付着物がこのバイオフィルムです。
義歯の中でピンク色のプラスチック製の歯肉の部分は材料の特性から特にバイオフィルムが付きやすいところであり、他の部分に比べて柔らかい材質となっているので、義歯用ブラシや歯ブラシで過度にこすってしまうと不適合の原因になってしまいます。口の中の健康に対する意識の高い人ほどこの傾向にあります。効果的な義歯洗浄剤の使用により、装着感を向上させ、快適な食生活や会話が維持できます。正しい義歯のメインテンナンス法をかかりつけの歯科医院で指導してもらうと良いでしょう。
成人の歯の矯正治療
歯の矯正治療は学童期の子供たちだけが対象ではありません。成人の方でも歯を動かして美しい歯ならびにすることは可能です。
出っ歯や受け口、らんぐい歯などの悪い歯ならびはただ単に見ばえが悪いという審美的な問題だけではなく、歯に汚れが付き易く、歯磨きがしずらいのでむし歯や歯周病になりやすい状態になっています。また、発音がハッキリしなかったり、顎の動きをスムースに出来ないため、顎の機能障害いわゆる顎関節症を発症することもあります。
正常な状態に改善するのが望ましいのですが、現在の健康保険制度では残念なことに、顎の変形や過成長・劣成長などの一部の疾患を除き、適用にならないので自費での診療となるため、多くの方が放置しているのが現状です。
スポーツクラブやエステなど自分自身のために体・健康づくりに投資する時代です。歯ならびに問題を抱えている方は審美的な問題だけではなく、むし歯や歯周病の発症リスクを少なくし、将来にわったって、口の中が健康で高齢になっても自分の歯で噛めるよう、矯正治療を検討してはいかがでしょうか。